TOP   >   会報   >   2003年 第3号



近頃思うこと 学園理事長 須藤 賢一
人と人との繋がりを求めて 同窓会長 宮田 正枝
短期大学部
 発足3年目を迎えて
短大学部長 田島 貞子
学科紹介    
日本語コミュニケーション
 学科の廃止に思う
日本語コミュニケーション
学科長
丸田 実
看護学科新設について 看護学科長 瀬戸 正子
藤龍祭    
公開講座    
活躍する同窓生    
編集後記    





近頃思うこと 学園理事長 須藤 賢一
 時の流れの早さをどのように感じるかは個人の主観によるでしょうが、短大部同窓会報「あみかる」の原稿を依頼されて「もうそんな時期なのか」と私にとっては1年が瞬く間に通り過ぎていくように感じております。
 同窓生の皆さまにはお元気でご活躍のことと存じます。

 今年の夏は稀に見る冷夏で8月初旬の気温は特に低く、少しオーバーかもしれませんが私などコタツがほしいと思ったほどでした。
 日本の冷夏とは逆に、ヨーロッパは記録的な暑さに襲われ、パリでは40度近くの猛暑が連日続き、フランスでは1万人以上が死亡したと言われております。
 その多くは独居暮らしの高齢者のようです。
福祉の大切さを改めて感じざるを得ませんが、家族のあり方を考えさせられます。
 わが国は世界一の長寿国ですが、明治以来今日まで生き抜いていらっしゃる100歳以上の方々は2000人以上になります。
 その多くはご家族と一緒にお暮らしなのではないでしょうか。
 よく調べてみないとわかりませんがそんな気がいたします。

 わが国は一見平和で、物が満ち溢れておりますが、社会は多くの矛盾を抱えております。
 若者の失業率は12%を超えており、フリーターの数は400万人を突破しております。
 インターネットで知り合った自殺願望の若者の集団自殺、"人を殺してみたい"と本気で思う青年男女、エトセトラ、エトセトラ。
 若者の多くが自分の将来を見出せなくなっているのでしょうか。

 さて、短期大学部は今年度から看護学科を立ち上げました。
 全国から優秀な学生が一期生として入学し、3年後の看護師としての自分を夢描いて勉学に励んでおります。
 また、来年度から生活学科の2専攻はそれぞれ児童福祉学科と生活学科に独立して、学科の理念のもとに教育・研究に当たることになっております。
 これにより短期大学部は4学科構成となります。
 健康福祉学部では健康情報学科を医療福祉情報学科に名称変更し、その入学定員を100名から70名に減じ、健康栄養学科の入学定員を50名から80名に増員します。

 今後とも短期大学部と健康福祉学部の改革はもとより、新たな学部の新設も視野に入れながら大学改革を行っていきたいと考えております。
 同窓生の皆さまのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。




人と人との繋がりを求めて 同窓会長 宮田 正枝
 冴え渡る空に上州の山脈の稜線がくっきりと浮び上がる、初冬の季節を迎えました。

 同窓会の皆様には、益々お元気でご活躍のことと存じます。
 早いもので「あみかる」も3号(通算11号)を迎えました。
 2000年からの3年間は、高崎健康福祉大学短期大学部として存続をかけた改組・改革の日々でした。
 昨年度は生活学科に児童福祉専攻が誕生し、今年度は看護学科を新設するといった希望に満ちあふれた変革を、この会報を通じ会員の皆様にお伝えできればと思います。
 来年の3月には同窓会も男子会員を迎え、年代の層も厚くなります。

 ところで、最近、ちょっとした心遣いのできない人が増えているように思います。
 たとえば、携帯電話使用を禁じている車内で友人との話に花を咲かせる若者や煙草のポイ捨てなどなど……日本の未来を案じてしまいます。
 他人への思いやりや心配り、それは人と人との「絆」を深めるものだと思います。
 ただし、「きずな」が転じて「ほだし」とならないように気を配らねばならず、人の世の難しさを思う日々でもあります。
 「4度目からは許せないけど、3度まではだまされてもいい」
 私の友人でこのように言う人がいます。
 許容の範囲を超えた裏切りの場合ならばいざしらず、こうした寛容さ、相手への心配りがないと長いおつきあいはできないのかもしれません。
 そうした許し合う心、寛容な気持ちを持ち、ゆとりある生活をしたいと思われませんか。

 1万人になる同窓の友に心を通わせつつ、筆を執りました。




短期大学部発足3年目を迎えて 短大学部長 田島 貞子
 本年4月から、白石前学部長の後任として任命されました田島です。

 私は、昨年4月児童福祉専攻の開設と同時に専攻長・教授として着任し2年目を迎えました。
 ようやく学園の雰囲気にも慣れてきたところです。
 これからは、同窓会の皆様とも交流を深めていきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。

 平成13年4月、多くの秀れた女性を世に輩出してきた群馬女子短期大学は高崎健康福祉大学短期大学部として新たなスタートをきり、3年目を迎えました。
 昨年度は生活学科に児童福祉専攻、本年度は看護学科を設置いたしました。
 さらに来年度には生活学科内の2専攻が児童福祉学科、生活学科として独立することになっております。
 一方、日本語コミュニケーション学科は、本年度末でその歴史を閉じることになりました。

 このような変革の中、来年3月には初めての男子学生15人を含む170人余が社会に巣立つ予定です。
 同窓会の皆様には、各地域で卒業生を温かく受け入れてくださいますようお願いいたします。

 少子高齢社会、そして学習志向の変化等社会情勢を冷静に見極めながら、歴史ある短期大学部の発展の為に微力を尽くしたいと考えております。
 皆様の御支援、御協力を心よりお願い申し上げます。




【 学 科 紹 介 】

キーワードは「保育」と「福祉」 生活学科児童福祉専攻  
 生活学科児童福祉専攻は「保育」と「福祉」をキーワードとし、平成14年4月にスタートしました。
 子どもへの虐待や子育て不安が社会的問題にまで発展している現代において、児童福祉専攻では豊富な内容のカリキュラムと経験豊かな教授陣をそろえ、
1.子育てに悩む保護者の「心」のケアができること、
2.障害を持った子どもの保育に対応できること、
3.高度な幼児教育の知識を備えることの3点を実現できる保育士・幼稚園教諭の育成
を目指しています。
 なお、来年4月には児童福祉学科となりますが、教育内容を一層充実させるように図ってまいりたいと存じます。
新時代への人材育成主眼に再出発 生活学科生活教養専攻  
 生活学科生活教養専攻は、当初家政科として開設されて平成2年から生活学科生活教養専攻に名称が変更し、平成16年度からは、生活学科となって、21世紀に向けて高齢社会に対応できる人材の育成をも主眼に入れて再出発します。

 新しいカリキュラムは、家庭医学、育児学、臨床調理学演習とユニバーサルファッション演習などをあらたに開講し、さらに生活人として基礎的マナーを学ぶ生活教養講座を加えました。
 生活教養専攻を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、その存在価値が十分に認められ得る生活学科にするために教職員一丸となって努力を重ねておりますので、同窓の皆様の一層のご理解とご支援を心からお願いいたします。
学生とオープンな関係が伝統 情報文化学科  
 平成12年4月経営情報学科を情報文化学科に改組して既に3年近くになりました。
その間、図書館情報コース、情報ビジネスコース、情報システムコースの3コース制にするなど改革が進んでいます。
 また女性の教員も1名加わり、学科の雰囲気も少し変わったように感じられます。
 しかし常に学生とオープンに接する伝統は今でも続いていますので、同窓生の皆さんも気軽に立ち寄って昔話に花を咲かせてください。
 大歓迎です。
チーム医療の中心的存在の育成 看護学科  
 看護の役割は自らの健康状態を認識して疾病を予防し、疾病からの早期回復、あるいは、安らかな死を迎えられるよう人々と家族をサポートをすることであり、チーム医療の中心的存在として位置づけられております。

 看護学科では、看護の対象となる人間を統合的に理解し、看護学を支える他学問領域の知識・看護学の基礎的知識を活用して、科学的思考力・的確な判断力・ゆたかな感性と知性を獲得するための主体的学習活動ができるよう学生を応援しています。




日本語コミュニケーション学科の廃止に思う
日本語コミュニケーション学科長 丸田 実
 本学の日本語コミュニケーション学科は、平成14年度生の16年3月卒業をもって廃止されることになりました。

 ご存知のように、本学科は平成12年4月、国文学科を改組・転換して新たに発足しました。
 新学科の目標とするところは、少子化による厳しい環境の変化を先取りし、日本語関連の実務的実際的能力を引き出して、それに基づく幅広いコミュニケーションセンスを磨こうというものでした。

 しかし、諸般の事情により、短期大学部の組織改変に伴って、今回の措置となった次第です。
 思えば、本学科は発足して4年と短い期間でしたが、有為な学生たちが真しに学び、合わせて78人(15年度卒業予定を含む)が社会に巣立って行きました。

 この度の学科廃止に当たっては、ご出身の皆様には大変寂しい思いをされたことでしょうが、本学科の意図してきたものは、また何らかの形で他の学科の授業にいかされていくことと思います。




看護学科新設について 看護学科長 瀬戸 正子
 看護学科は平成15年4月、高崎健康福祉大学短期大学部に3年制の看護師養成機関として設置されました。
 定員は80名で現在86名(男子3名、女子83名)の学生が看護職としての将来の夢を実現させるために講義や部活動に励みながら学生生活を送っております。

 高齢社会のますます進展する現在、看護学科は人間とその環境、健康を基盤として幅広い教養と専門的知識、技術を駆使できる質の高い看護師の育成を求められております。
 本学科では、科学的思考と倫理的判断に基づく問題解決能力、高度医療に対応できる看護実践能力の育成を卒業時の教育目標として、人間関係形成の技術を身につけるよう、学生同士・教師間の相互交流を重視した教育を心がけております。

 全国に看護の4年制大学は本年4月までに107校設置され、1期生も50%以上の学生が編入を希望しております。

 教員一同看護学教育の責任と研鑚に努めておりますので、同窓会の皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。




藤龍祭
 10月25、26日藤龍祭は【はじめの一歩】をテーマに秋空の下、開催されました。
 大学開校3年、短期大学部合わせ年々賑やかに、大学祭らしい活気を感じる数々のイベント、福祉と健康に沿った講演会が開かれていました。

 大学祭を盛り上げるために同窓会もパンジー、シクラメン等の草花や苗木を並べ、お花屋さんとして毎年参加しております。
 お客様との会話を楽しみ又、在学生とのコミュニケーションを大事に、同窓生のご来店を楽しみに、これからも続けていきます。
 変革、発展する母校見学に、藤龍祭でお会いしましょう。




公開講座
 11月、短大校舎でトールペイント、パソコン入門、一眼レフカメラ講座、絵手紙、藍・型抜き染め、気功入門、英会話など7つの公開講座が開催されました。

 先生の説明を受けながら、受講生は作品製作に打ち込んでいました。




【 活躍する同窓生 】

  毎日の仕事の中で
水上町観光協会 正田 洋子 国文学科(第3回卒)
 先日、高崎市内循環バス「ぐるりん」に乗る機会がありました。
 水上町では、町内をめぐる「温泉ぶらり号」を運行していますので、興味をもって乗ってみました。
 すると、思いがけずバスは母校に立ち寄りました。
 車窓から立派になった学園を見て、驚きと共に懐かしさがこみ上げてきました。

 卒業してから32年。
 改めて数えてみたら自分でもびっくりするほどの歳月でした。

 現在の職についてからも、もう22年。
 宿泊の案内をはじめ、日々変化する季節の様子や、観光のポイントなどを紹介しています。
 さまざまなお問い合わせがございますので、一日として同じ事はありません。
 いかにお客様のニーズに合わせた対応ができるか、試行錯誤の毎日です。
 とはいえ、長く勤めるにつれ、向上心が薄れてしまいがちです。
 新しい母校を見たのを機に、心新たに仕事に励みたいと思いました。
  健康と福祉の一翼を担うものへと巣立つことへの期待
虎の門病院栄養部 本田 佳子 家政学科食物栄養専攻(第3回卒)
 大げさな言い方をすると30年ぶりにJR高崎駅を下車した。
 駅の東口の様変わりに驚き、タクシーに乗り「高崎健康福祉大学へ」と行く先を告げると「福祉大学ですね」と応答され、地域の人々の大学への認識を知った。

 5年程前、恩師の食品学教授小澤好夫先生からご連絡をいただき、群馬女子短期大学を4年制大学に発展的な転換を成すとのこと。
 卒業後、母校とは音信不通であった3期生の私は、突然の恩師の話し声に、脳裏は学生当時にタイムスリップした。
 当時、小澤先生は、ダイコン(Raphanus sativusL)の辛味成分の抽出に取り組んでおられたように記憶している。
 お若かったのか、フランクなお人柄からか、学生とともにお酒を飲んでくれた(友人が自慢げに話していたことによると)。
 公衆衛生学は、農村の標準体重の発案者であった箕輪先生にご講義いただき、私語と居眠りは一切まかりならず、口述のご講義内容を手が痛くなるほどノートに書いた。
 また、某酒造研究所で酵母の研究者であった天野先生は、ご専門の微生物学ではなく、「地球の歴史(岩波新書)」のご講義が印象深い。
 さらに、群馬大学医学部の講師で、本学には非常勤で解剖生理学の授業をご担当されていた先生(お名前は記憶に残っていない)には、前日の死体剖検により抽出した肝硬変患者の繊維化でカチカチに硬く萎縮した肝臓に触れる機会をいただいた。
 現在では、医学部の倫理委員会での審議の対象となろう。
 振り返ると、壮大で厳格にして原理的かつ実践的な授業であったように思う。
 そして、別の視点から捉えると、シラバスもなく大変乱暴な教育を受けたとも言える。
 しかし、学生には、諸先生方の教育への熱意と学生への期待は十分に伝わっていた。

 卒業生の一人として、地域のみならず全国の人々の健康と福祉の一翼を担うものへと巣立つことを期待し、高崎健康福祉大学短期大学部の益々の発展を祈念したい。




【 編集後記 】

 年の瀬を迎え、あわただしい日々、メールを確認し一日が終わる。

 数年前まで、この時期、年賀状書きで忙しく過ごしていたのに今は友達にはメールで挨拶、賀状も年々書く量が少なくなっている。
 時代と共に変化し、発展していくもの、不変的永遠に受け継がれてほしい心や技…。

 この「あみかる」は、母校の発展と同窓生の思いや絆をつなぐ会報でありたいと思っています。
 皆さんのご意見やご感想もお聞かせください。
編集委員
宮田正枝 中村すみゑ 高岸裕代 池田幸子
清水陽子 石黒早苗 斎藤徳子 柴崎美智枝
※会報は、同窓生会員の皆様に、随時発送しております。
住所変更等で修正がある場合は、必ず
お名前(漢字)所属学科+年度生(卒業年)修正内容(新・旧両方)
をご連絡下さい。
同窓生は1万人を超え、同姓同名の方が多くいらっしゃいます。
対象者が確定出来ない場合、修正は行いませんので、ご協力頂けますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
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