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短期大学としての新しいスタート 同窓会長 宮田 正枝
新たな千年紀の旅立ちにあたり 学園理事長 須藤 賢一
新しい発想に基づく工夫と努力に対処 学部長 白石 明男
魅力ある中身の充実が大切 情報文化学科 石坂 浩彦
活躍する同窓生    
編集後記    





短期大学としての新しいスタート 同窓会長 宮田 正枝
 歴史と伝統に彩られた群馬女子短期大学は、2001年4月から「高崎健康福祉大学」短期大学部と名称が変わりました。
 この名称変更については2年前よりお知らせしてまいりましたが、いざ現実となった今、一抹の寂しさを感ぜずにいられないのは皆さまも同じではないかと存じます。

 人類史上始まって以来といわれるほどの、多くの悲惨な犠牲者を出した戦争の時代を経て、21世紀の到来を迎えた今、求められているものは穏やかで温かい慈愛の心ではないかと思われます。
 それは女性の特質であると言っても過言ではないでしょう。
 社会のあらゆる分野で女性の躍進が目立つようになったわが国。
 それは男女共同参画社会となったことの裏付けであると思います。

 この期の到来を逃さず、女子教育の伝統を培ってきた「群馬女子短期大学」も男女が共に学ぶ「高崎健康福祉大学」短期大学部に生まれ変わったのです。
 短大の氷河期を思うにつけても、母校の生き残りをかけたこの変革に対し、心から応援してまいりたいと思います。

 同窓会報も須藤理事長先生より「あみかる」と命名いただきました。
 「あみかる」とはフランス語で、仲間、広くは同窓の友を意味するそうです。

 全国的に短期大学は入口の学生募集、出口の就職状況ともに相当に厳しい状態にあると伺っております。
 優秀な人材群が母校に集い、そして巣立つことを同窓会として協力、お力添えできますよう誓い合いたいと思います。

 今後、男子学生の入学によって、同窓活動も一層の活性化を図り、新たな伝統を築いてまいりたいと考えています。

 菜の花の彩りも美しい21世紀初めての春、大きく飛翔してゆく母校の発展を心からお祈りいたしつつ…。




新たな千年紀の旅立ちにあたり 学園理事長 須藤 賢一
 同窓生の皆さまにおかれましては、ご健勝のこととお喜び申し上げます。

 今年は西暦2001年、まさしく21世紀の初頭にあたります。
 同窓生の皆さまも例年よりは幾分高揚した気分で本年を迎えたのではないでしょうか。
 確かに辰年から巳年になっただけかもしれません。
 21世紀になったといっても私たちの生活が変わるというものでもないかも知れません。

 昨年、NHKでスペシャル番組"世紀を超えて"が放映さ れておりました。
 20世紀の遺産を引き継いで、21世紀はどのような世紀になるか、そして私たちの生活はどのように変化するか、というテーマであったと思います。

 科学技術に関するならば、ヒトゲノムの解読からより効果的で副作用のない新薬や治療法が開発され、燃料電池が実用化されて大気汚染が改善され、また、IT革命といわれている情報通信システムの普及によって私たちの生活様式は一変するかもしれません。

 一方で、人口の増加で地球環境はさらに悪化し、貧困と感染症が増大して人間の安全保障が世界的関心事となり、民族や宗教の対立はますます先鋭化するかもしれません。

 学園は、学校法人高崎健康福祉大学として、21世紀の不確かな時代に船出いたします。
 群馬女子短期大学は35年の栄光の歴史に幕を閉じ、高崎健康福祉大学短期大学部として新たに旅立ちます。

 今後とも、同窓生の皆さまの温かいご理解とご支援をお願い申しあげます。
 また、本年が皆さまにとって飛躍となるすばらしい年でありますよう 祈念申し上げます。




新しい発想に基づく工夫と努力に対処 学 部 長 白石 明男
 このたび、短期大学部の学部長に任命されました白石です。

 私は、平成8年4月に、群馬女子短期大学経営情報学科に教授として着任しました。
 したがって、90%以上の卒業生とは面識がありませんが、今後、機会を捉えて、交流を深めてゆきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

 さて、群馬女子短期大学は、この4月から、高崎健康福祉大学短期大学部と名称が変わり、長い伝統を破って、男女共学になりました。
 卒業生の皆さまとしては、この変化に、さまざまな感慨をお持ちになることと思います。
 しかし、これらを近年の少子化と学習志向の変化を背景とした、志願者の急減に対する方策の一貫と捉え、ご理解いただきたいと思っております。

 今後は、これまで、群馬女子垣期大学として多くの卒業生を輩出し、培ってきた学校としての総合力を生かしつつ、新しい発想に基づく工夫と努力を加えて、この難局に対処するため、微力を尽くしたいと考えております。

 皆さまのご支援、御鞭撻を、心からお願い申し上げます。




【 新学科長 紹介 】

情報文化学科長の白石明男先生が短期大学部長に就任されました。
それに伴い新学科長に石坂浩彦先生が任命されましたのでご紹介いたします。
魅力ある中身の充実が大切 情報文化学 石坂 浩彦
 大学を取り巻く環境が厳しい状況の中で学科長を命じられ、大変だなというのが実感です。
 しかし、短大を志願する高校生は少なからず存在していると思いますので、いかに魅力のある学科として中身を充実させていくかが大切と考えています。

 具体的には情報文化学科の中にコース制を導入し、高校生は自分の将来を見つめたときの選択肢を広げてあげようと現在検討しているところです。

 また、景気の回復がなかなか進まない現状では、学生の就職内定率を上げることも大変重要です。

 情報文化学科にはビジネス系の科目もたくさんありますので、日ごろの講義の中で身近に起きている経済・社会情勢の時事問題なども取り上げ、学生の就職に対する関心度を高める工夫も必要であると学科の先生方とも相談しています。

 日本全体が激しく変化している時期でもあると思いますので、われわれもその変化に的確に対応することが求められているのだということです。




【 活躍する同窓生 】

  幼子と歩むことは楽しいこと
六郷保育園副園長 大竹 草子(旧姓・高木) 家政学科(S45年度卒)
 私が群馬女子短期大学家政学科を卒業してから30年という年月が過ぎました。

 現在保育という仕事に携わって走り続け、気がついたら25年が経ちました。
 たくさんの園児と出会い、喜び悲しみを分かちあってきましたが幾年か前、障害を持っている児童が入所してきました。

 5歳になっても歩けないA君と1年間過ごし、毎日階段を上がったり降りたり、特別に作られた靴をはかせて、他児の何倍も時間をかけて行いました。
 その甲斐あってA君が歩けるようになった日の感動は忘れることができません。

 1年間の行事は入園式から始まり納涼祭、運動会、遠足いも掘り、遊戯会、もちつき、カルタ大会、お別れ会、卒園式などがあります。
 これら行事は、各園児が何らかの自信につなげてくれるものと信じて行われます。

 保育園には教科書はありません。
 各保育士が、子どもたちが大人になった時困らないように、時には厳しく時にはやさしく接しております。
 その中でルールやマナーを身につける手伝いをしているのですが、人と人とが近づくということは何年繰り返しても難しいものです。

 この3月の終わりには1年かかって知り合えた年長児を小学校へ送り出します。
 幼な子と歩むことは楽しいことです。

 これからも、子どもたちの幸せを願い、保育の仕事を続けたいと思っています。
  地域へ貢献できる専門家を目指す
施設栄養士 依田 清子(旧姓・大沢) 家政学科(S47年度卒)
 母校を卒業後、早いもので28年の歳月が経ちました。

 昨年食物2期生会が開かれ、卒業後、顔を合わせる級友たちは長い人生の充実した顔に、昔の面影が重なり合い時間も忘れ、恩師を囲み語りあかしました。

 さて私事ですが、卒業後福祉施設で働き28年が経ちました。
 埼玉県西部比企丘陵地3万坪の広大な敷地に、重度及び最重度知的障害施設があります。
 その栄養士として勤務しております。
 利用者数は360人です。
 施設の特徴として、摂食嚥下構能(食べる機能)に障害を持った方々が多くQOL(Quality of life=生命・生活・人生の質)を考慮した食事が求められています。
 「安全で、おいしく、楽に食べられるもの」を目標に摂食機能に応じた食事を手掛け開発までに幾多の作業を繰り返しながらいま、ほぼ完成にこぎつけました。

 利用者にとって「生きていることの喜び」は食事が重大なウェイトを占めています。
 このことについて、自分自身が業務を通じて体験できた時、栄養士としての苦労が、喜び・充実感・自信へとつながりました。

 21世紀私の目標は、摂食嚥下専門栄養士として、施設から地域へ貢献できる専門家を目指しております。

 最後に母校のますますのご発展と同窓生のご多幸をお祈り申し上げます。
  おいしいパンを作り続けていきたい
パン職人 伊藤 まゆみ 生活学科食物栄養専攻(H9年度卒)
 短大では栄養士を目指していましたが、なぜかパンの魅力にとりつかれ、卒業とともにパン職人になりました。

 一昨年秋、私の師匠である彼とパン屋をオープンさせました。
 パン職人になったきっかけは、自宅近くにパン屋さんがあったためです。
 そこでアルバイトをしているうち、「パン職人って、かっこいいな」と憧れに似た気持ちが芽生えました。
 次第に「パンを作ってみたい」という思いが強くなり、両親に打ち明けました。
 あっさり却下され、店の職人さんに相談すると「女のする仕事じゃないよ」と言 われました。
 それでも、パン職人になりました。
 仕事は想像以上に厳しく、辛い毎日。
 朝から晩まで、とにかく弱音を吐かずに頑張りました。

 1年間、その店で基礎を学び、彼が目標にしていたパン屋をついにオープンさせました。

 私はまだまだ半人前ですが、2人でカを合わせ、地域の人たちやお客さまに支えられて、 おいしいパンを作り続けていきたいと思います。




【 編集後記 】

 新世紀を迎え、本誌も『あみかる』としての第1歩を踏み出しました。

 前号までの内容を生かし、さらなる充実を図るようにと、編集委員一同で一生懸命に取り組みました。
 いかがお読みいただけたでしょうか。

 また、そのためにとお忙しい中を原稿をお寄せくださった 先生方、同窓会員の皆々さま方に心からお礼申し上げます。

 これからも良い会報誌づくりのため、委員一同頑張ってまいります。
 皆さまのご協力もよろしくお願いいたします。
編集委員
宮田正枝 中村すみゑ 高岸裕代 池田幸子
清水陽子 石黒早苗 斎藤徳子 柴崎美智枝
※会報は、同窓生会員の皆様に、随時発送しております。
住所変更等で修正がある場合は、必ず
お名前(漢字)所属学科+年度生(卒業年)修正内容(新・旧両方)
をご連絡下さい。
同窓生は1万人を超え、同姓同名の方が多くいらっしゃいます。
対象者が確定出来ない場合、修正は行いませんので、ご協力頂けますよう、どうぞ宜しくお願い致します。
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